スリランカ、アダムスピークにのぼった時の話

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スリランカに行くことにして、とにかくあまり情報を知らなかったので、地球の歩き方を購入。ざっと見ながら気になるところをマーク。
その中の一つに、アダムスピーク(スーリパーダ)という山がありました。

あらゆる宗教の聖地(といいつつ、主に仏教徒が巡礼で訪れる)として、12月〜5月のシーズンのみ夜も照明がついて、土産物屋などもでて、みんな夜中から登り始め山頂で朝日を拝む。大人の足で3〜4時間。山頂はとても冷え込むので注意。

みたいなことが書いてあったと思います。
そして私はたぶん、夜中に山を登るってところに惹かれた気がします笑 夜のピクニックみたい!しかも大人の足で3〜4時間で登れると書いていて、私でも行けそう!(のちに体力過信であったとわかります)と思いこみまして、この度の割と高いプライオリティにセットしてしまいました。

(あとたぶん仕事でも考え事していて、何かを越えたいと試練を選んだ笑)


シーギリアからアダムスピークの麓の村までの移動

シーギリア

⇩ バス(3時間くらい)

キャンディ(乗り換えだけ)
ここから電車で行こうと思ってたけど、ちょうどいい電車がない。。
急遽バスに。この路線は紅茶畑を行くので、アジア一の絶景と言われていただけにちょっと残念に思いながらも、、実はバスでも結構きれいなとこ通ります。

⇩ バス(2〜3時間くらい?)

アダムスピークの最寄り駅、ハットン
このバスがまた本数少なく、、すごく待ちました。待ってる間に、同じくアダムスピークをのぼるという家族と仲良くなり、夕飯ごちそうになり。
やっと20時くらいにバスがくる。(夕方、17時以降のバスはおそらくこれだけです)
しかし、そこから人がぎゅうぎゅうになるまで発車してくれず。
何人かの欧米人が待ちかねてタクシー相乗りしないかと言われたのですが、まあ急がないし、バスにしました。タクシーは1500円くらいと言ってたと思います。やっとバスが発車!

⇩ バス(1.5時間くらい?)

アダムスピークの麓の村、ナラタニア
この時点で22時過ぎ。2時くらいから登ろうと思っていたので少し仮眠取りたいのと、バックパック置きたいと思い、宿へ。宿はいっぱいあります。設備はどこもいまいちそうでしたが、まあ数時間しか寝ないし、安いとこでもいいかという感じ。でも歩き方に載っている宿は、参道入り口からちょっと歩きます。10分くらい?くらくて少しこわいです。



いよいよ登山開始!しかし格好を間違えた、、

午前2時。眠たいけど頑張って起きました。


参道へ向かうのですが、あとから気づいた痛恨のミスが。
それはヒートテック+ウィンドブレーカーという格好で行ってしまったこと。

山頂が寒いという情報のみ信じ、なぜかヒートテックをもって行った私。
間違いでした。登り始めてすぐ、「暑い!」と気づく。。
山の麓もまあ夜はかなかな涼しいのですが、動いてたらやっぱり暑い。
ウィンドブレーカー脱いで、ぴったりしたヒートテックで登るというちょっと恥ずかしい感じでした笑(日が明けた帰り道はもっと惨め)

おすすめは、動きやすいTシャツに、フリースやユニクロのダウンみたいな格好を用意していくこと。地元民はビーサンで登ってましたが笑、スニーカーであればトレッキング用なんかでなくても大丈夫です。

そして、重たくても、1リットルはお水もって行った方がよいです。途中お茶屋さんもありますが、お水売っているところが少なく?、私みたいな汗っかきは、1リットルを山頂までもたす為にめっちゃ調整しながら飲みました。



最初の2時間が最大の関門、、

アダムスピークは基本ずっと石段が続きますが、登り始めの2時間がとても大きな関門だと思います。というのも(シーズンなので頂上まで照明が転々と行く先を示してくれているわけですが)あの尖った山頂まで角度が急になるのはかなり先。最初は、進んでるようでなかなか山頂に近づいて行く実感が湧かないのと、わりと緩やかに見えてでも一歩一歩が大きい石段。思った以上に、きつかったです。

しかも足の長い欧米人にめちゃくちゃ抜かれる、、
私そんなに体力なかったかと、本当にめげそうになりました。。

時計とにらめっこしながら、そろそろ1時間半経つけど本当に3〜4時間であそこまで辿り着くんだろうかと不安になりました。何とかここで諦めず、2時間を過ぎると、あからさまに斜面が急になります。でもこれでやっと写真でよくみる、裾のあたりについたということ。ここからはどんどん登って行くのが実感できるので、確かにきついけれど、精神的に最初よりは大丈夫になっていきました

※最初はあまり人気も少ないので、それもめげそうになる原因ですが、もう少し登って行くと地元のスリランカ人だみんなそのへんで座ったり寝てたりします。みんな夜10時ころから登り始めるらしく、そうやって時間をかけて登っていきます。


とにかく無心で登り続ける。ペースも大事。

2時間を過ぎて山登りっぽくなってくると、とにかく無心で登ってることに気がつきました。それまで、「もうやだな、諦めようかな」とか、「巡礼で登っている人たちは大きな目的があるのに、私は一体何の為にこんな試練に挑戦しているのか」って考えたり、考え事ばかりしていました。

でも気づいたら、とにかく一歩先へ、一歩先へと本当にただそれだけになって登っていました。

そしてなぜかいつのまにか、地元の少年二人が私のちょっと先で待っていてくれて、私が追いついてお水飲むとまた一緒に登りだすというリズムができました。ペースメーカーになってくれました。笑 それもあって、後半は一定のペースで。

もうそろそろ頂上が近くなってくると、空がだんだんと明るくなってきます。太陽に追い越されないように、一歩一歩力を振り絞って登って行きます。雲の上になってくるとさすがに肌寒く(汗かいたヒートテック着てるせいでもある笑)、みんな上着を着込み始めます。この辺りで、すでに雲より高いところにきていて、自分が登って来た道を振り返ってみると、ほんとうにきれいなブルーで感動してしまいました。思わず1人笑顔で、うわ〜!て声あげてたと思います。辛かったの忘れてしまうくらい。とってもとってもきれいで透き通った空気で、もうその瞬間を味わえていることが愛おしくって!さらに頂上までのぼる力になりました。(←感動のピーク笑 感動して写真取りそびれました、、)



やーっと登頂!

何とか日が明ける前に頂上に辿り着くことができました!頂上はすごくひろくて、お祈りする場所があります。しかし、朝日を待ち構える人々でぎゅうぎゅう。みんないいポジションで朝日を拝もうとしているので、割とわちゃわちゃしています。

朝やけハンターたち。空気がきれい。


日が昇ってきて、ここまで登って来たんだなと実感































朝日自体は、ちょっと曇り空だったのでそこまで感動せず。笑 もう登頂できたことが感慨深すぎて、余韻に浸っていたと思います。でも苦労して登って来たみんなが同じ方向見て同じものを待ちわびている光景は嘘みたいにきれいな時間だったことは確か。


観光客は、朝日が登ると早々に帰ってしまう人も多いようですが(日が昇ってくると今度は酷暑なので、、)、前日ハットンで出会ったファミリーとたまたま合流した私は、お祈りの儀式に参加することができました。みんなでお祈りを捧げ、言葉はわからないけれど、自分と同じようにここまで苦労して登って来た人たちの思いを想像しながらの時間も、また特別な時間となりました。



帰り道も大変、、行きとは別ルートで、滝や茶畑が絶景!

帰り道は急だけど、絶景!






























儀式が終わって、帰り道もやっぱり相当ハードです。日が照って暑いし、もう足がすでに筋肉痛で、くだりの石段はきつい。でも、急斜面を降りきって、日本寺を過ぎたくらいで道が分かれていて、行きとは別のルートを通ったのですが、ここがなかなかきれいで良かったです。谷のようになっていて、向こうに大きな滝や茶畑が続いていました。土の道なので、歩きやすいですし。


あんなところまで登ったとは、、






























ファミリーと休憩しまくってくだったので、結局麓についたのはお昼くらいになってしまいました。。




とにかく登ってよかった、、泣

本当に本当にきつかったですが、登って良かったです。こんなに自分で自分のことを頑張ったと言ってあげられることは大学受験以来だったので笑(そのくらいきつかった+逃げずに達成できた)、自分の精神にとてもよい効果がありました。以後、すごくすっきりした心地で過ごせているし、私これからも何とかなるな、と思えるようになりました。

ちょっと仕事で疲れていた私には、余計なものを削ぎ落とし、シンプルに生きるパワーを自分の中に感じられるような(それを自信というのか?)、大事な体験となりました。



※注意したいこと

・シーズン外も登れないことはないですが、夜は照明もなくまっくらなようなので、おすすめできません。たぶんものすごくこわいと思います、、

・1週間くらいは、筋肉痛覚悟で!

・一眼持って行ったのに全然撮る余裕がなかった!



またのぼりに行きたくなる気がするので、そのときはまた向かおうと思います。